藤井二冠

 2月11日、朝日新聞主催の「朝日杯」での準決勝で、藤井二冠が、渡辺名人に勝ちました。  コンピューター将棋ソフトの評価値を基にした勝率では、表示が、渡辺「99%」、藤井「1%」となっていたのに、渡辺名人のたった一手のミスで、途端に渡辺「3%」へと急落して、一気に、藤井二冠の勝利になったのです。  渡辺名人は頭を下げ、投了を告げました。直後にあった対局後の検討の中で、藤井二冠は、遠慮がちにそっと、渡辺名人が見逃した藤井二冠の玉の詰み筋を示しました。 「何それ?」  渡辺名人は思わずそう声をあげたのでした。それは名人でさえも、すぐには意味が理解できないような妙手順でした。 「将棋は2度負かせ」という言葉がありますが・・・勝負に勝ち、さらには局後の検討でも才能を示すことによって、この将棋は2度勝ったことになります。  次の決勝でも、又、藤井二冠は、逆転勝利しました。  九段の実力者、三浦氏も、藤井二冠を相手に途中まで勝勢で、勝率「98%」という局面にまで持ち込んでいたのですが、そこから藤井二冠は、再び、超絶技巧を尽くして三浦氏の攻めをしのぎ、大逆転となったのです。 「藤井さんなんで、しょうがないですね」、三浦氏は敗戦の弁を、そう締めくくっています。  藤井二冠は、全棋士が参加する朝日杯で、参加4回中、3回目の優勝を飾ったのです。まだ高校生の18歳の若者が、同一棋戦で3度も優勝したのです。  藤井二冠が名実ともに将棋界の頂点に立つこと、いや、もう立っているのかも知…

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2021年02月
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