兄ちゃんが先生に
「兄ちゃんが、先生になりました。」
佐伯の新町でやきいもを売っていたおばちゃんがいました。「ヤキイモ屋のおばちゃん」と周りの人は言っていました。いつもニコニコして、感じがいい。深夜、酔った男の人たちがよく買っていました。多くの人が、「おばちゃん、イモ焼けとる?」と聞いてきていました。列が出来ることもしばしばありました。まだ焼けていないこともしばしばでしたが・・・。
「兄(にい)ちゃん、まけちゃるけんなあ・・・」「兄ちゃん、学生さんじゃないごとあるが・・・」「兄ちゃん、ちゃんと仕事をしよるか?」「兄ちゃん、結婚してるんネ?」「兄ちゃん、何しとるんね、よくここで見るけん・・・」「兄ちゃん、元気がいいなあ・・・」・・・これが、私と「やきいもやのおばちゃん」との間に長く交わされていたいつもの会話の内容でした。
西田病院の時から、夜の診療を終えて、新町を通って自転車で帰っていましたが、その時、目が合うと必ずお互いに挨拶を交わしていました。今までに200回はゆうに買っていると思われます。いもはいたって健康食品。繊維が多いので、お腹の掃除をしてくれるし、大腸癌を防ぐ意味で注目されているとかいないとか、それに、おいしい。
この「ヤキイモ屋のおばちゃん」、どう言う訳か、私には、買うと例外なくまけてくれるのです。
自分がどの様に見えるのか、自分がどんな人間か、その判断は他人がします。決して自分ではないですね。このおばちゃんの「兄ちゃん・・・」と初めに出る言葉が、客観的に見た私の姿をよく現わ…
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